引用元:https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1655563239

1: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:40:39 ID:tMYl
タモリ「ニート」

タモリ「働き盛りの年齢であるにもかかわらず働かない人々、を指す言葉として」

タモリ「今や世の中に広く浸透しています」

タモリ「生活するにはお金がいり、お金を得るためには働かねばなりません」

タモリ「にもかかわらず、彼らはなぜ働かないのか? あるいは働けないのか?」

タモリ「もしかすると、我々が予想だにしない奇妙な背景が潜んでいるのかもしれません」

タモリ「──さて、今回は幸か不幸かそんな奇妙に巻き込まれてしまった」

タモリ「四人のニートの奇妙な物語をお送りします」


4: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:41:11 ID:tMYl
『俺だけの才能』



< 家 >

テレビ『空飛ぶ円盤が多数目撃されているこの町では』

テレビ『町おこしのために、円盤のマスコットキャラ“エンちゃん”を作り〜』

ニート「アホくせぇ、どうせ町内会の自作自演だろうがよ」

ニート「もっと面白い番組ねえかな〜」

コンコン

ドア越しに会話する母子。

ニート「なに?」

母「ご飯作っておいたから、あとでチンして食べてね」

ニート「あいよ〜」




6: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:41:30 ID:tMYl
母「あと……」

母「ちゃんと仕事探してる?」

ニート「探してるよ! パソコンでも仕事は探せるんだよ!」

母「そう、分かったわ、ごめんね」ササッ

ニート「……ちっ」

ニート(あ〜あ、このままじゃまずいよなぁ)

ニート(かといって、一度この生活に浸かっちまうと、もう働くなんて考えられねえ)

ニート(朝早く起きて、日が変わるぐらいに帰る生活とか、やってられっか)

ニート(なにか俺にしかできないような仕事でもあれば──)

ニート(それこそマイペースでできるんだがな。なんたって俺にしかできねえんだから)

ニート(だけど、んなもんあるわけねえ)

ニート(俺がこなせる仕事は、だいたいの人ができるだろうからな……)


8: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:41:47 ID:tMYl
数日後──

コンコン

ニート「なに?」

母「居間に料理用意しておいたからね〜」

ニート「あ〜い」

居間に行くニート。

ニート「!?」

ニート「な、なんだぁ!?」


9: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:42:07 ID:tMYl
ニート(なんかやたら料理が豪勢なんだけど……)ゴクッ

ニート「これなんか、すげぇいい肉なんじゃねえの? 多分」

ニート「盛り付けとかも手間かけすぎだろ……」

ニート「…………」モグモグ…

ニート「うん、うまい」

ニート(どうしたんだ、いったい……)

ニート(俺へのエールのつもりなのか?)

ニート(っつっても、なぁ……働く気にはなれねえや)

ニート(ごめんよ、母さん)


10: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:42:31 ID:tMYl
さらに──

ニート(朝っぱらから、部屋の外から怒鳴り声が……うっせえな)ムニャ…

ニート(ん、親父と母さんがなんか喧嘩してる)



父「会社に……会社に行かなければ!」

母「ダメよ! そんな体で! 熱が39度もあるのよ!?」

父「うるさい! 会社に行かなければぁっ!」ダダダッ

母「ああっ、もう!」



ニート(つくづく社畜してんなぁ、親父……)

ニート(ま、そのおかげで俺はこうしてニートしてられるんだが)

ニート(定年も近いだろうに、いくらなんでも会社に命捧げすぎだろ……)


11: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:42:50 ID:tMYl
ニート(あれからというもの──)

ニート(母さんの料理はますます豪勢になり)

ニート(なんかもう、近々料理の大会でも開かれるのかって勢いだ)

ニート(カリスマ主婦でも目指してるんだろうか?)

ニート(一方、親父も前にも増して帰りが遅くなってる)

ニート(残業代もつかないだろうに、なにが楽しくて残業してるんだか……)

ニート(一応子供として心配は心配だが、俺になにかをいう資格はないのは自覚してる)

ニート(ご苦労なこった、二人とも)


12: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:43:12 ID:tMYl
そんなある日のこと──

< 家 >

黒服「こんにちは」

母「失礼ですが……どなたですか?」

黒服「詳しくは話せませんが、私は政府の密命を受け、動いている者です」

母「せ、政府!?」

黒服「こちらのご子息がニートだとうかがったのですが、事実ですか?」

母「は、はい……」

黒服「彼と話がしたいのですが、よろしいでしょうか?」

母「ど、どうぞ……」


14: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:43:32 ID:tMYl
ニート「な、なんだよ……アンタ!? 突然俺の部屋に入ってきやがって!」

黒服「君はニートだね?」

ニート「だ……だったらなんだよ!?」

黒服「君は今、まったく働いていないということだね?」

黒服「働き口を探してすらいない、家のことですらまともにやっていない」

黒服「そういうことだね?」

ニート「そ、そうだよ! 悪いかよ!」

黒服「よろしい」

黒服「さっそくだが、君を今から連行する。時間がないのだ」

ニート「えっ、そんな、ちょっと待って……」


15: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:43:48 ID:998q
面白くなかったら怒るど?


17: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:44:12 ID:ShpR
>>15
とりあえず居とけ
保証するで


16: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:44:04 ID:tMYl
黒服に連行された先は、さまざまな装置が並ぶ施設だった。

ニート(……どこなんだ、ここは?)

白衣「やぁ、いらっしゃい」

ニート(ムリヤリ連れてきて、いらっしゃいもないだろ……)

白衣「君の基本的なデータはすでに見せてもらっているが──」

白衣「君は今まったく働いていないとのことだが、本当かね?」

ニート「ま、まぁ……そうだけど」

白衣「ほ、ん、と、う、に?」

ニート「ホントだよ! 無職ですってウソつく方が珍しいだろ!」

白衣「ほぉう、これは驚いた! 現代日本にまだ君のような人間がいるとは!」

白衣「これは急がねばならん! さっそく君の身体検査を行う!」

ニート(な、なんだってんだよ……!)


18: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:44:21 ID:tMYl
白衣「仕事は探していた?」

ニート「いいえ」

白衣「働いていないことに関して、罪悪感は?」

ニート「あんまり」

白衣「機会があれば、働きたいと思う?」

ニート「いや……全然」

白衣「自分に向いてる仕事をパッとイメージできる?」

ニート「すぐには思いつかないです……」

白衣「ふむふむ……」カリカリ…

ニート(なんだってんだよ、いったい)


20: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:44:37 ID:tMYl
全ての検査が終わった時には、すでに真夜中になっていた。

ニートは研究施設に泊まることになった。

ニート(何十だか何百だか質問に答えさせられたり)

ニート(髪の毛を切られたり、皮膚をちょっと剥がされたり、血を抜かれたり)

ニート(まるで実験動物みたいな扱いだ)

ニート(しかも、なんのためにやってるのかの説明は一切ないし……)

ニート(どうなっちまうんだ、俺は……)

ニート(助けて……だれか助けて……)


21: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:44:56 ID:tMYl
翌日、白衣がニートを呼び出す。

白衣「検査結果が出たよ」

ニート「…………」ゴクッ

白衣「ありがとう……! 君は救世主だ!」

ニート「はい?」

白衣「実は今、地球上に恐ろしい病気が蔓延している」

白衣「一度使命感にとらわれると、働かずにはいられなくなるという病気が……!」

白衣「あえて名づけるとするなら、労働中毒というやつだ」

白衣「おかげで、今世界中で過労死に向かう人間が続出している」

ニート(そういえば……心当たりはあるな。ウチの親父と母さんもそうだった)

ニート「な、なんでそんな病気が蔓延してるんです……?」

白衣「異星人の仕業だ」

ニート「へ!?」


23: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:45:21 ID:tMYl
白衣「これは一部の国の、さらにごく一部の人間にしか知らされていない情報だが」

白衣「少し前、宇宙から飛来した円盤が世界中にウイルスをばら撒いたのだ」

ニート(マジか……。そ、そういえば……円盤がどうたらテレビでやってたな)

ニート「なんのために異星人はそんなことを……!?」

白衣「理由は色々考えられるが、最終的には地球人を奴隷にでもしたいのだろう」

白衣「労働中毒になった人間に、強烈な使命感を与えれば何でもやるだろうからな」

ニート「なるほど……」

白衣「だが、君のおかげで地球人に希望が見えた!」

白衣「血液検査で判明したのだが──」

白衣「君はおそらく世界で唯一、このウイルスに耐性を持つ人間だったのだ!」

白衣「自堕落だから耐性があるのか、耐性があるから自堕落なのかは分からんが」

白衣「とにかく! 君の自堕落さが世界を救うことになる!」ガシッ

ニート「はぁ、どうも……」

ニート(褒められてるんだか、貶されてるんだか……)


25: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:45:52 ID:tMYl
ニート(なんかよく分からないけど──)

ニート(このまま上手くいけば、俺は世界の救世主になれるってことは分かった!)

ニート(まったく働かず! 世界を救う!)

ニート(これはまさしく俺の……俺だけの才能!)

ニート(これこそが世界で俺だけができる仕事だったんだ!)

ニート(見ろ! 俺をニートだとかいって見下してる世の中の野郎ども!)

ニート(俺は働かないんじゃない……働かなくても英雄になれるんだ!)

ニート(頭と体をフルに使っても、食い扶持稼ぐので精一杯なお前らとはちがうんだ!)

ニート(ハハハハハッ!)


27: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:46:15 ID:tMYl
白衣「ではさっそくワクチンを作るための血液の採取を……」チクッ

黒服「動かないで下さいね」ガシッ

ニート(へへへ、これで俺も英雄かぁ……)

白衣「血をい〜っぱい採取して、ワクチンをい〜っぱい作らないと」

黒服「絶対に動かないで下さいね」ギュッ…

ニート「──ん、白衣さん? いくらなんでも……血を抜きすぎじゃねえか!?」

ニート「しかも黒服さん力入れすぎだって……痛いってば! 指が食い込んでるよ!」

ニート「聞いてんのか!? 二人とも……目つきおかしいって!」

ニート(ま、まるで……こみ上げる衝動を抑えきれないみたいに……!)

白衣「ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン」ガクガク

黒服「絶対に……動かないで下さい……絶対に……」ギュウウ…

ニート「うっ……」

うわぁぁぁぁぁ……!



                                   〜おわり〜


30: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:46:50 ID:tMYl
タモリ「益虫、害虫という言葉があります」

タモリ「文字通り、人間に利益をもたらす虫を益虫」

タモリ「人間に害を及ぼす虫を害虫、といいますが」

タモリ「あるニートの男性が出会ってしまった虫」

タモリ「はたしてそれはどちらだったのでしょうか……?」


32: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:47:22 ID:tMYl
『ゴキブリ』



< アパート >

寝そべりながら、菓子を頬張るニート。

ニート「…………」ボリボリ…

ニート「お、そういやそろそろ今月の仕送りの日だな」ガサゴソ

ニート「資格の勉強してる、なんていってるけど、な〜んもしてないっての」ボリボリ

ニート「やっぱり持つべきものは優しい親だよなぁ〜」ガサゴソ

ニート「親の金で好きなことをして生活する」ボリボリ

ニート「これぞ憲法のいう“健康で文化的な生活”ってやつだよなぁ〜」ガサ…

ニート「ちぇっ、もうポテトチップなくなっちゃった」


34: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:47:43 ID:tMYl
ニート(何週間か前に、買い占める勢いで買い溜めしてたのになぁ〜)

ニート(コンビニまで歩いて五分か、遠いなぁ、めんどくさいなぁ〜)ゴロン…

ニート(いいや……買いに行くのはまた今度だ)

ガサゴソ……

ニート「ん?」

ガサゴソ……

ニート「うわぁっ! ゴキブリだぁっ!」

ゴキブリ「…………」ガサゴソ…

ニート「うわぁぁぁっ! こっち来んなっ!」

ゴキブリ「…………」ガサゴソ…

ニート「ひいぃぃぃぃぃっ!」ダダダッ


35: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:47:59 ID:tMYl
< 外 >

ニート「ハァ、ハァ、ハァ……」

ニート「つい外に飛び出してしまった……」

ニート(くそっ、引っ越してから今まで一度も出なかったのに……)

ニート(イヤだなぁ、一匹見たら30匹はいるとかいうもんなぁ……)

ニート(……それにしても、外に出るなんて何週間ぶりだろう)

ニート(せっかくだ。ゴキブリも怖いし、少し外を散歩するか……)


36: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:48:15 ID:tMYl
< アパート >

ガチャッ……

ニート「ただいまぁ……」

ニート「…………」キョロキョロ

ニート「よかった……もうゴキブリはいなくなったみたいだな」

ニート「さぁ〜て、パソコンでもやろっかな」


37: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:48:34 ID:tMYl
翌朝、熟睡するニートの顔を得体の知れない感触が襲った。

ガサゴソ……

ニート「……ん?」

ニート「!? ──ゴ、ゴキブリィッ!?」

ニート「うわぁぁぁっ!」

ゴキブリ「…………」ガサゴソ…

顔を洗うニート。

ニート(く、くそぉ〜……顔に……!)バシャバシャ

ニート(あ〜もう、冷たいなぁ!)バシャバシャ

ニート(しかもまだ6時じゃないか! こんなに早く起きるなんて、何年ぶりだよ……)

ニート(ようし……せっかく早く起きたんだ)

ニート(なんとしてもゴキブリを退治してみせる!)


38: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:48:54 ID:tMYl
ニート「えいっ!」バンッ

ゴキブリ「…………」ガサゴソ

ニート「とりゃっ!」バシッ

ゴキブリ「…………」ガサゴソ

ニート「く、くそっ……すばしっこい! 体も反応も追いつかない!」

ゴキブリ「…………」ガサッ

ニート(しかも、ぼくが散らかしてるゴミを巧みに利用して、隠れやがる!)

ニート(ゴキブリのくせに、なんて賢いんだ!)


39: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:49:09 ID:tMYl
ニート(そうか!)

ニート(部屋が汚いから、ゴキブリに隠れる場所を与えてしまっているのか!)

ニート(そうと決まれば、さっそく部屋の掃除だ!)

ニートは部屋の掃除を始めた。

ニート「げほっ、げほっ!」

ニート「うへぇ〜、引っ越してから初めて掃除するから汚いや」

ニート「こりゃ、今日一日潰れちゃうな」

ニートは一日をかけて自分の部屋を掃除した。


40: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:49:29 ID:tMYl
同時に、ニートは自己改造も必要だと悟った。

ニート「ゴキブリのあのすばやさに対抗できるよう、体力もつけなくちゃな」

ニート「あと、目が疲れてちゃゴキブリを追えないから、パソコンやゲームを控えよう」

ニート「えっほ、えっほ」タッタッタ…

ニート「えっほ、えっほ」タッタッタ…

ニートはジョギングや筋トレを始め、体力をつけた。

ニート「ふっふっふ……今日こそぶっ潰してやる!」

ニート「オラッ! オラァッ!」

バシィッ! バシィッ!

ゴキブリ「…………」ガサゴソ

しかし、ゴキブリを倒すには至らなかった。


41: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:49:51 ID:tMYl
ニート「くそぉぉぉっ!」

ニート(どうすればいい! どうすればヤツを倒せる!?)

ニート(そういえばこの間……)

ニート(一発だけ丸めたチラシを当てることができたっけ。死ななかったけど)

ニート(あのチラシ、どこやったかな……まだゴミ箱に……)ガサガサ

ニート「──あった!」

ニート「なんのチラシだ……? 経験は問いません……? なんだ、求人広告か」

ニート「──そうか!」

ニート「金稼いで、ゴキブリ撃退グッズ買ったり、業者とかに頼めばいいじゃん!」

ニート「ぼくって頭いい〜!」

ニート「親の金じゃ、自分の力で勝った気になれないもんな!」


42: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:50:14 ID:tMYl
それからというもの、ニートは就職活動に没頭した。

ニート「スーツは一応あるけど……」

ニート「面接の時、靴下は白の方が明るくて印象いいよな」

ゴキブリ「…………」ガサゴソ

ニート「うわっ! ゴキブリが靴下に!? きったないなぁ!」

ニート「あ〜あ、もう紺色のしかないじゃん……仕方ない、これ履いてくか」



ニート「今日は雨降ってるから、やめとこ──」

ゴキブリ「…………」ガサゴソ

ニート「ひぃぃぃぃっ!? 分かったよ、行くよ!」

ニート「お前に怯えて部屋にいるぐらいなら、外で就活してた方がマシだ!」ダダダッ


44: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:50:48 ID:tMYl
面接官「趣味は?」

ニート「ゴキブリ退治です!」


面接官「座右の銘は?」

ニート「親の金で健康で文化的な生活、です!」



面接官「英語は話せる?」

ニート「まったく話せませんが、ネットスラングならいけます!」



もちろんこんな調子では、何社も何十社も落ちたが、

ニート(ゴキブリを倒すためだ!)

ニート(絶対に諦めない!)

ニート(今日の失敗は明日に生かす!)

打倒ゴキブリの意志は崩れなかった。


46: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:51:06 ID:tMYl
そしてついに──

バタンッ!

ニート「ゴキブリッ! ついに内定取れたぞっ!」

ニート「初任給で、撃退グッズいっぱい買って──」



ニートの宿敵であり続けたゴキブリは──

部屋の真ん中で仰向けになって動かなくなっていた。



ニート「ゴキブリ……?」

ニート「そ、そんな……」

ニート「うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!」


47: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:51:26 ID:tMYl
一年後──

< ペット霊園 >

小さな墓石の前で手を合わせる一人の男。

老人「おやおや」

老人「ずいぶん熱心に手を合わせてますが、よほど可愛かったんでしょうな?」

リーマン「いや……可愛くはなかったですね」

リーマン「ですが、世話にはなったんで、住職さんに無理いって作ってもらいました」

リーマン「おかげで初任給は丸々なくなりましたけどね」

老人「よほど思い入れがあったのでしょうなぁ。犬? それとも猫ですかな?」

リーマン「……ゴキブリです」



                                   〜おわり〜


49: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:52:29 ID:tMYl
タモリ「あなたが普段退治している虫も」

タモリ「もしかしたら、あなたの人生を大いに変えるきっかけになるかもしれませんね」

タモリ「このように、人生にはさまざまな出会いがあります」

タモリ「さて、やはり男女の出会いというものは、働かずにいるよりは」

タモリ「働いている方が多くなるものですが」

タモリ「どうやら、最近はそうとも限らないようです」


51: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:52:49 ID:tMYl
『家事手伝い』



< 家 >

母「ったく毎日ゴロゴロして……」

母「働かないなら働かないで、家のことをちょっとは手伝ったらどうなの!?」

ニート女「ん〜……」ゴロゴロ

母「このままじゃ、お嫁にも行けないわよ!」

ニート女「ん〜……」ゴロゴロ

母「まったくもう……!」

ニート女「ん〜……」ゴロゴロ


52: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:53:11 ID:tMYl
翌日──

母「ねえ、今朝の新聞に載ってたんだけど」

母「最近、若い人の間で婚活パーティーってのが流行ってるらしいじゃない」

母「今度、ウチの近くのホールであるから行ってきなさいよ」

母「お金は出してあげるから」

ニート女「えぇ〜……めんどくさ──」

母「…………」ギロッ

ニート女「わ、分かったわよ……。行けばいいんでしょ、行けば!」


53: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:53:31 ID:tMYl
パーティー当日──

< 会場 >

ニート女(結婚なんかしたくないってのに……)

ニート女(まずは男一人一人と会話するのか……めんどくさ)

イケメン「こんばんは」キラッ

ニート女(あら、ステキな男!)

ニート女「こ、こんばんは!」

イケメン「ボク、燃料関係の仕事をしておりまして」

イケメン「今も事業を拡大しております」

ニート女「すっごぉ〜い」

ニート女「私は家事手伝いしてまぁ〜す」

ニート女(なぁんてね、家事なんかしちゃいないけど)


54: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:53:53 ID:tMYl
男「はじめまして」

ニート女「はじめまして」

男「今日はいい天気ですね」

男「今日がいい転機になればいいな、なんちゃって」

ニート女「は、はぁ……?」

ニート女(まぁいいや、気にしない気にしない)

ニート女「え、えぇ〜と私、今は実家で家事手伝いしてます」

男「ぼく、公務員やってます。得点は入りませんけどね」

ニート女「へ?」

男「そりゃホームインだろ! なんちゃって」

ニート女(なんなのこの人……)


55: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:54:20 ID:tMYl
最終的に、参加した男女は互いに感触のよかった異性を選ぶことになる。

ニート女(今日印象に残ったのは──)

ニート女(イケメンさんと男さんね)

ニート女(イケメンさんは、なんかもう全てにおいて完璧だったし)

ニート女(男さんはダジャレのセンスは壊滅的だけど、いい人ではあったわね)

ニート女(う〜ん……どうしよ)

結局、ニート女はイケメンを指名し、みごと交際することになった。


56: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:54:57 ID:tMYl
< 家 >

ニート女「ねえお母さん、料理を教えて!」

母「どうしたのよ、急に」

ニート女「デートで今度手料理をごちそうするなんていっちゃって……」

母「見栄張るからそうなるのよ」

ニート女「お願い! 他にも色々手伝いするから!」

母(このめんどくさがりが、こんなこというなんて)

母(やっぱりあのパーティー参加させてよかったわねえ)

母(女は恋をすると、変わるからね)

ジュウウウ…… ボワァッ!

ニート女「うわっちちち! あっぶない!」

母「ちょっと! 料理を勉強するのはいいけど、気をつけなさいよ!」

母「空気が乾燥してるからか、最近多いらしいから」

ニート女「アハハ……恋は燃えるってね」


58: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:55:18 ID:tMYl
しかし、デート中──

< 街 >

イケメン「このレストランで食事でもしようか」

ニート女「ええ」

ニート女「…………」

ニート女(なにか視線を感じる……)

ニート女「!」

ニート女(あ、あんなところに!? なんでいるのよ!?)

イケメンとニート女を監視するように、男がたたずんでいた。

男「…………」


59: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:55:41 ID:tMYl
イケメン「ん、どうしたんだい?」

ニート女(イケメンさんは気づいてない……)

ニート女(なら、この雰囲気を壊したくないし……黙っておこう)

ニート女「いいえ、なんでもないわ」

ニート女「早くお店に入りましょ!」

イケメン「うん」

ニート女(ただの偶然かもしれないしね)


60: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:56:03 ID:tMYl
無事、デートは終わった。

イケメン「今日は楽しかったよ」

ニート女「ええ、私も」

イケメン「よかったら送ってくよ」

ニート女「いえ、まだそんなに遅くもないし」

イケメン「そうかい」

イケメン「ところで、この間作ってくれた手料理、おいしかったよ」

イケメン「また食べたいな」

ニート女「…………」ポッ

イケメン「それじゃまた」ザッ

ニート女(イケメンさんって……エリートだし、私にはもったいないくらいステキ)


61: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:56:23 ID:tMYl
ニート女「……さてと」

ニート女「さっきからずっとついてきてるけど、なんの用?」

ニート女「どうして私だけに気づかれるようにしてたの?」

男「…………」ザッ

男「悪いことはいわない、アイツはやめときな」

男「アイスの食べすぎもやめときな、なんちゃって」

ニート女「……どうして? イケメンさんってなにかあるの?」

男「確証は持てないんだが……やめといた方がいい」

ニート女「なによそれ、そんなんでやめるわけないでしょ」

ニート女「しかもアイツとアイスってムリヤリだし、バッカじゃないの!?」

ニート女「さよなら」スッ

男「あっ……」


62: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:56:52 ID:tMYl
ニート女はイケメンとのデートを繰り返した。

母親との、いわゆる女性らしさの特訓もあり、イケメンの反応も上々であった。

ニート女「──今日もありがと。楽しかったわ」

イケメン「こちらこそ」

イケメン「ところでさ……これから俺の家に来ない?」

イケメン「君には、ボクのことをもっと知ってもらいたいんだ」

ニート女「…………!」ドキッ

ニート女(つ、ついに……この時が……!)

ニート女「ええ、もちろん!」ギラッ

ニート女(しまった……つい目を輝かせちゃった)


64: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:57:12 ID:tMYl
イケメンはニート女をある建物まで連れてきた。

ニート女「ね、ねえ……」

ニート女「なんか家っていうか、倉庫って感じなんだけど……」

イケメン「ここは人通りも少ないし、保管にちょうどいいからね」

ニート女「保管……?」

イケメン「君にもボクの副業……いや本業を手伝って欲しいんだ」

ニート女「え?」

倉庫には十数個の灯油タンクが並んでいた。

イケメン「ボクの本当の仕事はコレ、燃料関係」

イケメン「灯油でボヤを起こして、人が混乱してるスキに金品をいただく!」

イケメン「どうだい? 最高にイカしてるだろ!?」キラッ

ニート女「は……!?」


65: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:57:37 ID:tMYl
イケメン「何度かデートを重ね、君ならボクの素顔を理解してくれると分かった!」

イケメン「さあ、ボクと一緒にファイヤーしよう!」

ニート女(ちょっと待ってよ、なんでよりによってこんな──)

ニート女(おかしいでしょぉぉぉっ!)

ニート女「バッカじゃないの!? そんなのに協力するわけないでしょ!」

ニート女(に、逃げなきゃ!)クルッ

ガチャンッ! ボワァァァッ……!

火炎瓶の炎がニート女の逃げ道をふさぐ。

ニート女「ひぃっ!?」

イケメン「あぁ〜……ダメなのかい……残念」

イケメン「ダメなら燃やすしかないなぁ〜……」

ニート女「い、いやぁぁぁぁぁっ!」


67: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:57:59 ID:tMYl
すると──

男「そこまでだっ!」ダッ

イケメン「!」

ニート女「えっ!?」

イケメン「な、なんだお前は!?」サッ

イケメンが火炎瓶を投げつけようとするが、男の動作の方が速かった。

男「てやあっ!」ガシッ

ブオンッ!

イケメン「ギャッ!?」ドサッ

男「さあ、観念しろ!」

押さえつけられるイケメン。

男「殺人未遂及び火炎瓶処罰法の現行犯で逮捕する!」

ガチャッ……!


70: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:58:32 ID:tMYl
駆けつけた応援によって、イケメンは連行された。

男「ふう、危ないところだったね」

ニート女「あなた、どうしてここに……」

男「実は俺は刑事で、ずっとアイツを連続放火犯として目をつけていたんだ」

男「あのパーティーにいたのも、実はそのためさ」

男「しかし、表向きには大手石油会社のエリートで、後ろ暗いところが全くない男だし」

男「なかなか尻尾を出さないから、捕まえることができなかった」

男「だが、どうやら奴は君に本当に心を許したようで」

男「ようやく、こうやって捕まえることができた」

男「ハッキリ助言しておけば、君をこんな目にあわさずに済んだかもしれないのに」

男「オトリにするような形になってしまって、本当にすまない」

ニート女「いえこちらこそ……ごめんなさい。助けてくれて、ありがとう」


71: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:58:55 ID:tMYl
男「……ところで、実はあのパーティーの日、俺も君を指名してたんだ」

男「どうだろ……? 今度、一緒に食事でも」

ニート女「いいの? 私、あんなひどいこといったのに」

男「こっちだって刑事のくせにストーカーまがいのことしたんだ、お互い様さ」

ニート女「……だったら、私の手料理ごちそうしてあげる!」

男「おお、それはありがたい!」

男「……それにしても」

ニート女「?」

男「家事手伝いなだけに、火事手伝いにならなくてホントよかったね!」

男「な〜んちゃって!」

ニート女「あらら……」ガクッ



                                   〜おわり〜


72: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:59:16 ID:tMYl
扉を開こうと、懸命に扉を押し続けるタモリ。

タモリ「う〜ん、う〜ん……」グッ グッ…

タモリ「開かない……」ハァハァ

タモリ「スポーツや仕事、勉強、日常の仕草にいたるまで」

タモリ「どんなことにも必ずそれに適した方法、というものがあります」

タモリ「引いて開けるタイプのドアを、いくら押しても開くことがないように……」グイッ

ガチャッ……

タモリ「でも、あなたの知っているその方法」

タモリ「本当に一番適しているんですかね?」


75: 名無しさん@おーぷん 22/06/18(土) 23:59:44 ID:tMYl
『無職を減らす方法』



ザッ……

職員(俺は行政から委託を受けているニート更生センターの職員だ)

職員(これまでに何人ものニートの更生……ようは就業を手伝ってきた)

職員(正直いって、ニート更生のプロフェッショナルだと自負している)

職員(さて今日のニートは、と……)

職員(一軒家に一人暮らしとは)

職員(こりゃまた、ずいぶん恵まれたニートがいたもんだな)

ピンポーン……

職員「こんにちは〜」

ニート『……はい』

職員「先ほどお電話させていただいた、ニート更生センターの者ですが」

ニート『あ、すぐ開けます』


97: 名無しさん@おーぷん 22/06/19(日) 00:06:02 ID:9ZGj
ニート「ふう、今日の世にもおもろかったな。まだ余韻残ってるわ」

ニート「でもスレも止まってるなぁ…」



ニート「そういやだいぶ前にみたSS…もう一度読んでみようかな」カタカタ


108: 名無しさん@おーぷん 22/06/19(日) 00:09:27 ID:fLaZ
お!
>>97オリジナルか?


121: 名無しさん@おーぷん 22/06/19(日) 00:14:09 ID:v2u4
>>97
>>101
この糞文でセンスないの分かるわ
ガイジッチは二度とパクリスレ立てるなよ


110: 名無しさん@おーぷん 22/06/19(日) 00:09:36 ID:9ZGj
ほんまにこの時ニートだったからよく読んでたんよな
今回の世にもで思い出したわね


111: 名無しさん@おーぷん 22/06/19(日) 00:10:10 ID:fLaZ
>>110
サンガツやでイッチ


112: 名無しさん@おーぷん 22/06/19(日) 00:10:31 ID:fMc1
>>110
今もニートやろw
指摘されなかったら我が物顔で自分の作品にしてたんやろ?ガイジかな


115: 名無しさん@おーぷん 22/06/19(日) 00:11:35 ID:fLaZ
>>110
心無い人おるけどこれで忘れてや


引用元:https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1655563239